【就職氷河期世代】婚活で苦戦する不条理な真実

この記事でわかること
  • 就職氷河期世代が婚活で苦戦する理由
  • 30歳を超えても40歳を超えても非正規だった世代
  • 就職氷河期世代は切り捨てられたのか
うさかめ

20年ほど前、日本は未曽有の就職難となりました。

今の20代以下の人からはとても考えられませんが、アルバイトの面接ですらバッサバッサと落とされる時代がありました。
正社員ではありません、アルバイトの面接です。

この記事では、就職氷河期世代という「政治と社会に切り捨てられてしまった世代」の婚活について取り上げていこうと思います。

目次

社会のツケを払う世代

社会構造の変動に伴い、就職が思うように行かず、非正規労働やブラック環境での就業につかざるを得なかった世代があります。これが世に言う就職氷河期世代です

バブル景気の崩壊と共に、1990年代以降、日本の経済は破綻していきました。

就職氷河期世代の定義ですが、1990年代半ばから2000年代にかけて就職活動していた人たちとされています。
現在(2024年)の50代前半から40歳までの世代ですね。

1990年代半ばでは不況のあおりを受け、新たな人の雇用を控える企業が増えました。

さらに1999年では派遣法の改正により派遣社員登用が広まったことにより、これ以降の年から正社員雇用が減り、非正規雇用が増加しました。

さらに2001年にITバブルが崩壊したことによる株価の急落を受け、社会不安が高まった結果、以前に増して人の雇用が控えられるようになりました。

派遣雇用の普及、企業の雇い止め、雇用の非創出…

当時、正社員になるのは至難の業で、良い大学を出ても派遣社員しか口がないなんてこともありました

特に田舎はひどく、製造業や介護職の非正規雇用が新卒者の主な働き口となっていました。

仕事が選べないため、当然ブラックな環境で就労せざるをえない人も出て、鬱病になる人も増えました。

うさかめ

酷い年は有名大学を出ても派遣社員にしかなれなかったという時もありました。
今では考えられないですね。

地元の有名企業であれば応募倍率50倍なんかは当たり前で、中規模企業でも20社、30社、あるいはそれ以上の面接でようやく1社採用なんてこともザラにありました。

あの時代はなんだったのか

筆者は就職氷河期真っ只中の世代であるアラフォーです。

当然ながら時代の波に飲まれ、就職は大変苦労しました。

アルバイトで日銭を稼ぎながら、口があれば派遣の仕事という就業スタイルを10年は続けました。

非正規にしかなれなかった時代

筆者は情報系の専門学校を出ていますが、ときのITバブル崩壊も重なり、田舎には本当に仕事がなく、パンの製造ライン作業や組み立て工場の単一作業、コンビニの深夜バイトをしていました。

本当は専門学校で身に着けた情報系の職種に就きたかったのですが当時は求人が0。

そのためやむなく希望外の職種も当たらざるを得ませんでした。

しかし当時の田舎では大卒者以外は正社員になる事も困難で、あれよあれよという間に50社落ち、結果として非正規の仕事に就くことになりました。

ライン作業は誰でも、どんな人でもできる単純な作業でした。

パンの製造工場では、サンドイッチに具材を乗せるだけとか、菓子パンをケースに詰めるだけとか。
これを毎日8時間。週6日です。

もちろん当時の最低賃金680円で労働していました。

組み立てライン工も似たようなものです。

同じ作業を繰り返し、繰り返し、何年もやるわけです。

もちろん賃金は上がりませんし、ボーナスも出ません。

専門学校なんか出ていなくても誰でもできる仕事でした。

正社員が偉そうにしていたのを覚えています。

ですので、気持ちとしては騙し騙しやっていましたね。

今思うとコンビニバイトの方は深夜手当がついた分良かったです。

現代とは違い、お客さんの公共料金の支払いや袋詰めやレジの勘定やらは全てバイトがやっていましたけれど。

当然結婚して所帯を持てるような稼ぎは無く、結婚自体を考える余裕はありませんでした。

こんな流れで20代というもっとも市場価値の高い時期をロストしたあと、30代になった筆者を待っていたのは、「あんたのようなカスみたいな職歴じゃ正社員になれないよー」という社会の現実でした。

就職氷河期世代は30歳を超えても非正規

新卒や第二新卒(学校卒業後約3年)の時期を非正規労働で食い繋いでいた筆者の職歴はボロカスで、その後何年も正社員枠として採用されることはありませんでした。

これと同様のことが就職氷河期世代全般で起こっており、一度派遣社員になってしてしまうと、なかなかそれ以上に這い上がれない人が続出しました。

こうした負の社会構造の中で、30歳どころか40歳を超えても非正規や派遣労働を続けざるを得ない人たちが生まれたのです。

企業としては歳をとった職歴の無い人より、若い新卒の人を優先して取りますからね。

さらに、派遣社員で食い繋いでいた当時の30代、40代の人たちはリーマンショック(2008年から続いた不況)という追い打ちをかけられ、何かあると真っ先に肩たたきにあうという憂き目にもあいました。

派遣切りという言葉は今では死語ですが、以前は平気で横行していました。

その名の通り、会社の不況時では真っ先に切られるのが派遣社員でした。

このように不本意な転職を繰り返す中で後から社会に出てくる若い世代とは格差が開いてしまい、結果として就職氷河期世代は自力では這い上がれない壁ができてしまったのです。

就職氷河期世代と婚活

ここでこの記事のテーマとなる就職氷河期世代を婚活視点で見ていきます。

もうお察しがつくかと思いますが、他の世代と比べた時に圧倒的に不利なんです。

もちろんこの世代においても正社員になれた人や高待遇の職に就けた人はたくさんいます。
専門職であればそもそも関係のない話になるでしょう。

ですが現実には声を上げられないまま、自力ではどうすることもできず、時代に取り残され、年齢だけが高くなってしまった人たちも多くいるわけです。

そうした人は本来いわゆる「普通の人」と呼ばれる層の人たちでした。

普通の人は普通に正社員になれて、普通に終身雇用や年功序列のもと、普通に結婚できるはずでした。

そう、前時代までは。

けれどそれがバラバラと崩れたわけですね。

普通になれるはずだった層の人たちがようやく安定職につき、いざ婚活を真剣に始めようとしたとき、自身の年齢が45歳や50歳になっていると、なかなか思うように婚活が運ばなくなります。

就職氷河期の婚活男性の傾向

この世代の男性は若い頃の喪失を取り戻そうと自分よりも10歳やそれ以上年下の女性に申し込むことが多いですね。

しかし申し込まれた彼女たちは就職氷河期に被っていないことが多いため、所得に余裕があり、男性を年収で選ぶということは近年あまりありません。

さらに、就職氷河期にかぶらなかった女性は就職氷河期世代の男性よりも年俸が上であることがあるのも追い打ちをかけています。

10年前(2010年頃)であればリーマンショックの煽りを受けて婚活女性に職が無い人が多く、男性の年収が高ければ相手も見つかりやすかったわけですが、現代ではそれもなかなか決定条件になりにくくなってきました。

就職氷河期の婚活女性の傾向

この世代の女性は男性よりも非正規雇用であった期間が長い傾向にあり、男性と違って45歳や50歳になってもそもそも正社員ではない人が多いのが特徴です。

特に婚活では30代の女性よりも40代の女性の方が年収が低かったり、働いていないなどして不利になりやすいです。

年収が低い、または働いていない女性は婚活では男性同様避けられやすく、結果として選ばれないという事態になりやすいです。

これも女性が10歳以上年上男性を選べる場合であれば解決しやすいのですが、近年ではあえて年の差婚をするなら1人の方がいいという女性も多くなりましたね。

就職氷河期の禍根

社会構造の煽りを受け、全世代のツケ払いとしてのポジションを押し付けられた格好になっている就職氷河期世代。

もちろん他の世代はそれはそれで何かしらの負担を強いられていることもあります。

コロナ世代と言われる若い世代は一番楽しい学生時代を在宅で過ごすことになりましたし、第二次大戦後の焼け野原を経験した世代なんかは言い知れぬ感情があるはずです。

しかし、就職氷河期世代ほど就労苦労や社会の暗部を味わった世代はいないでしょう。

なお、政府がなけなしで出した救済案は就職氷河期世代を対象とした倍率50倍やそれ以上での公務員採用です。

ここでも救われるのは極めて優秀な一握りの人ということとなりますね。

一体どうして就職氷河期世代はこんなにも苦労をするのでしょう。

そして無かったことにされる

もっと早くに政府が事の重大さに気づいて動いていれば!と嘆く声も聞かれますが、その政府が現在推進しているのは就職氷河期世代を切り捨てて、若くて子どもを持てる世代を応援する政策です。

もちろん就職氷河期世代もその費用を負担することになります。

うさかめ

無かったことにされるってことですね。

しかし、しかしですよ、

不条理すぎませんかね!?理不尽すぎませんかね!?

記事を書くにあたり、なんともモヤっとした心持ちになりました。

子どもは贅沢どころか、結婚は贅沢という言葉があてはまりやすい世代ともとれます。

一体どうして日本はこんなに貧しくなってしまったのか。

政策の後手後手感は今に始まった話ではないですけれど。

政治家の先生、裏金作ってる暇があるなら就職氷河期世代のテコ入れをなんとかしてくださいよー!

もう遅い?切り捨てていく?ふざけんなー!

まとめ

この記事のまとめ
  • 就職氷河期世代の婚活が厳しい理由は、他の世代と違ってようやく正社員としてまともな年俸を稼げるようになった時、自身はすでに高年齢になっていることが多い。
  • そして高年齢になってしまうとなかなか婚活が思うようにいかなくなる。

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